仮想通貨取引所Zaif(ザイフ)では、なんとビットコインを0円で購入できるチャンスがあったのです!
なんとも太っ腹な話…ではなく、単にシステムエラーでそうなってしまっただけなのですが、そのタイミングで2246兆円相当ものビットコインを購入してしまったユーザーがいたことで大きな話題となってしまった事件です。
本記事では、この「Zaif 0円購入事件」について、概要や経緯について紹介します。
目次
Zaif 0円事件の概要と顛末
事件の内容を箇条書きにすると以下のようなります。
- Zaifでビットコインが0円になる
- 21億ビットコインが0円で買われる
- 20億ビットコインが売りに出される
- 0円の間に取引した7名のアカウントがロックされる
- 全てがなかったことになる
それでは、内容を紹介していきます。
Zaifでビットコインとモナコインが0円!?
当時、仮想通貨取引所Zaif は bitFlyer や coincheck と並ぶトップ3の国内仮想通貨取引所でした。
そのZaifでは販売所形式の「簡単売買」というビットコインとモナコインを購入・売却できる機能があります。

2018年2月16日の夕方ごろ、Zaifのシステムエラーによりこの簡単売買の価格が全て0円になってしまったのです。
当時のビットコイン価格は110万円前後だったので、衝撃の価格設定ですね。
ドンキホーテでもここまでディスカウントはしません。
一気に世界トップの大富豪!?21億ビットコインの購入
もしこのバグがスルーされていたら、これほどの話題にはならなかったでしょう。
しかしこの0円設定に気づいた「麺屋銀次さん(仮名)」が試しに21億ビットコインの注文を入れたところ…通ってしまったのです!!
21億ビットコインは当時の価格で2246兆円相当であり、一瞬にして世界トップクラスの大富豪が誕生してしまったわけです。
ビットコインの総発行枚数は2100万枚と決まっており、21億ビットコインというのは現実的にありえない額です。
市場騒然!!取引板に20億ビットコインの売り注文が出現する
話はここで終わらず、なんと20億ビットコインの売り注文が板取引に並んでしまったのです。
【速報】
20億BTC(時価約2154兆円)の売り板がZAIFに出現!!!!!!*BTCは最大発行枚数でも2100万BTCです。 pic.twitter.com/TCGWfnHeNp
— 灯篭 Blockchain かもしれない (@touroukawaii) February 16, 2018
さらにバグでZaifの出来高ランキングでも登場してしまい、「出来高10億BTCのツワモノがいる!」ということで大騒ぎになりました。
【続報】
BTC出来高キャンペーン1位の出来高10億BTCのつわものが出現!!!!賞金約10万円を獲得する
*尚、チャート上の出来高にはそんな異常な出来高は見受けられません。 pic.twitter.com/6OmkQ535RE
— 灯篭 Blockchain かもしれない (@touroukawaii) February 16, 2018
21億BTC購入ユーザー「麺屋銀次さん」
この21億BTCを購入した「麺屋銀次さん」ことメンメンさんは、その日のうちにYouTubeに証拠動画をアップロードしています。
メンメンさんは、購入や指値注文を試しにやってみただけで悪意はなく、指値注文についてはむしろ市場を心配しての行為だったようで、動画はそれらの証拠としてアップロードしてくれたようです。
たしかに、購入後にすぐ小口の成行注文を繰り返していたら、市場が大混乱に陥っていたでしょう。
メンメンさんは親切心からこのシステムエラーをZaifに報告したようですが、謝罪や報告への感謝は一切なく、怒りを通り越して呆れかえってしまったようです。
このメンメンさん他、0円の間に取引を行なった7名はその後何度かアカウントロックをかけられ、ロックが解除された頃には全ての取引が元に戻っていたそうです。
Zaifは対象となってしまった7名に対して対応し、うち6名は対応完了で1名は継続協議中となっており、その後の進展は報告されていません(ソース)。
その1名はメンメンさんではないかと言われておりますが、真相は不明です。
なんにせよ、今回のZaifの対応やユーザーへの報告は不親切だということで、評判を落としてしまったようです。
相場には大きな影響なし
この事件による下落はほとんど見られず、仮想通貨市場への大きな影響は避けられたようです。

Zaifへの影響
これだけ大騒ぎになってしまったので、Zaifに対する様々な憶測が出るなど影響が出ています。
ノミ行為を疑われる
ノミ行為というのは、「先物取引等相場性を有する取引きの委託または委託の取り次ぎを受けた者が、それをせず自分が取引きの当事者となって、取引きを成立させること」を言います。
つまり今回疑われたのは、「本当は持っていないのに販売所を運営して、不正な価格のもと取引してたんじゃない?」ってことです。
あの文春がこの件について、Zaifを運営するテックビューロ社の朝山社長にインタビューをしたところ、
「全くありえない指摘です。一定の顧客から送信されていない注文情報を、弊社の関係者が、任意に、あたかも存在するかのように変更して創出することは、システム上不可能です」
引用:文春オンライン
との回答があったようです。
実際、Zaifのシステムが脆弱なのは有名なので、システムプログラムのバグという説が真実なようです。
Zaif取引所で成行注文が停止される
この事件がきっかけかどうかははっきりしませんが、CM効果によるユーザー増加による負担軽減という理由でZaifでは2018年2月21日から現時点(2018年6月)まで成行注文を停止しています。

Zaifさん、業務改善命令をうける
2018年3月8日にはついにシステム脆弱性に対して財務省の近畿財務局から業務改善命令が発行されました。
こちらは2018年6月11日に改善報告書を提出しており、システムやサポート体制は着実に改善されているようです
終わりに:もし0円でビットコインが買えたら
0円で百万円近くの金融商品が買えるなんて夢のようですが、やっぱり現実はそう甘くはありませんね。
AirDropなど正規手順で少額の仮想通貨をもらえる場合を除き、もし同じように0円で購入できるようなバグに遭遇したら、何もしないでスルーするか、twitterでツイート拡散するくらいにしておいた方がいいですね。