【なにそれ】仮想通貨の「クジラ」「893」とは?

【なにそれ】仮想通貨の「クジラ」「893」とは?

仮想通貨の記事を読んでいたり、取引所のチャットを見ていると、時折「クジラ」や「893(ヤクザ)」といった言葉を目にすることがあります。

特に、ビットコインFXなど短期トレードをやっていると、それら「クジラ」や「893」の影響を強く受けることがあります。

今回は、その「クジラ」や「893」について紹介していきましょう。

仮想通貨の「クジラ」とは相場を動かすほどの巨額マネーを動かせる大口投資家のこと

仮想通貨のクジラ

「クジラ」とは経済用語のスラング(俗語)で、市場に大きな影響を与えるほどの”巨額マネー”を動かす機関投資家のことを指します。

仮想通貨でも同様に、強大な資金力を持つ投資家のことをクジラと呼びます。

クジラは、機関投資家や財団であることがほとんどですが、莫大な資産をもつ個人投資家であることもあります。

さらに、投資家ではなく、マイニングなどによって大量の仮想通貨を保有している場合でも「クジラ」と呼ばれ、中国のマイニンググループなどがコレに相当します。

彼らの動向次第で、相場が上がったり下がったりするため、自ずと彼らの発言や動向に注目が集まり、彼ら自身が大きな影響力をもってきます。

金融マーケットにおける有名な「クジラ」

金融業界において、強大な影響力を持っていると有名な「クジラ」を紹介します。

  1. ジョージ・ソロス氏
    「世界3大投資家」として知られており、1992年のポンド危機において、イングランド銀行の為替介入(ポンド買い)に対して、大量のポンド売りで対抗し、ついにはイングランド銀行を負かしてしまうという、恐ろしい経歴の持ち主です。

    彼が設立した「Soros Fund Management」に、仮想通貨市場への参入計画があるという情報が報じられています(ソース)。

  2. ロックフェラー財団
    石油産業から軍事産業、金融業など、世界中のありとあらゆる企業を傘下に収めている超巨大財閥で、その資産総額は1000兆円を超えると言われています。

    2018年4月に、財閥所有のベンチャーキャピタル「VenRock」が、ブロックチェーン技術リサーチ諮問機関で仮想通貨投資機関の「CoinFund」と提携したとが報じられています。

  3. ロスチャイルド財団
    ヨーロッパ最大の世界的財閥で、ロックフェラー財団と同様に世界中のあらゆる企業を傘下に収めています。

    2017年に「ビットコイン投資信託(GBTC)」を通じて、約21万ドル分の仮想通貨を購入したというニュースが出ており、最近も仮想通貨市場で再び名が挙がっています。

  4. ウォーレン・バフェット氏
    「オマハの賢人」という異名で有名な、世界3大投資家の一人です。

    コカ・コーラ社の株に対する長期集中投資により、莫大な利益を得たことで有名です。

    バフェット氏の投資手法は、ROEや配当率などの数値から、その対象の本質的な資本価値を見極めるファンダメンタルズを主軸においた手法であり、彼自身がCEOを務める投資会社「バークシャー・ハサウェイ」を通して投資を行なっています。

    バフェット氏は、仮想通貨そのものに対しては一定の価値を認めているものの、ビットコインについては懐疑的であり、「仮想通貨はほぼ確実に悪い結果を迎えるだろう」や「(ビットコインは)殺鼠剤の2乗のようなもの」などといった、非常に否定的な発言をしています。

この中でも、①ジョージ・ソロス氏、②ロックフェラー財団、③ロスチャイルド財団は、仮想通貨市場への参入を計画しているという情報があり、彼らの動向には注意が必要です。

参考までに、それぞれの推定資産を表にまとめておきます。

ジョージ・ソロス ロックフェラー財団 ロスチャイルド財団
ファンド Soros Fund Management VenRock RIT Capital Partners plc
推定資産 約260億ドル 約30億ドル 約19億ポンド

新たな存在!?「ChadWhale(チャドクジラ)」

最近では、「チャドクジラ」という大口投資家の存在が確認されおり、相場を混乱させているようです。

「チャドクジラの目的は恐らく一つ。BTCに対するショートポジションを吸収することだ。」

身元が不明なクジラではありますが、相場を動かすほどの巨額マネーを持っていることは間違いありません。

実際、出現した付近のチャートでは約90億円分のBTCの一気買いが観測されており、100ドル近くも価格が上昇しています。

チャドクジラのBTC購入

仮想通貨の「893(ヤクザ)」とは大口投資家のこと

仮想通貨の893(ヤクザ)

“ヤクザ”と聞くと、なんだか暴力的な怖いイメージを持ちますよね。

仮想通貨における「893(ヤクザ)」とは、仮想通貨の価格を上下させるほどの資金力を持つ、大口投資家のことを指します。

BTCFX893などと呼ばれることもあります。

「クジラ」とほとんど同じ意味ではあるのですが、「893」と呼ぶ場合は、意図的な相場操作に対する若干の批判や揶揄を含んだものになります。

ビットコインをはじめとする仮想通貨のイメージが広がったとは言え、それらのマーケットは株や為替に比べると、まだ狭く小さいものです。

そのため、数百ビットコインを動かせる個人投資家がいると数千円から多くて数万円が、かれらの売買動向によって動かされることがあります。

機関投資家でも無いのに、相場に大きな影響力を持って一目置かれるということから、現実世界の極道(ヤクザ)に例えて、「893」という隠語で呼ぶようになったようです。

「クジラ」や「893」の影響や相場の動き

クジラや893の動き

「クジラ」や「893」がいるとどういう影響が出るのでしょうか?

また、どのような現象から、「クジラ」や「893」がいると判断するのでしょうか?

いくつか、例を見てみましょう。

短時間での大きな上昇・下落

彼らが動かせる資金量は莫大です。

特に「クジラ」は、ビットコインなら数百枚〜数千枚単位で動かしてくるので、相場に対して大きな影響を与えます。

その代表例が、価格の大幅上昇や大幅下落です。

1分足や5分足といった短い時間軸の中で、5,000円や10,000円以上の大幅上昇、または大幅下落が見られた場合は、間違いなく「クジラ」か「893」がいると思っていいでしょう。

短期的な暴騰・暴落

そのタイミングでうまく同じ向きにトレードできれば大きな利益を出すことができますが、逆方向にトレードしていると大きく損をすることになります。

そのため、「クジラ」の動向というには常にチェックされており、単純な売り・買い情報だけではなく、保有仮想通貨の移動や発言だけでも相場が大きく動きます。

また、このような大幅変動が発生すると、短期トレンドが転換することが多いため、短期トレードを行う人は注意した方がいいでしょう。

イナゴ
こういった大幅変動に追従して売り・買いすることを「イナゴ」と呼びます。

板取引の壁

仮想通貨の取引は、基本的にマーケット参加者同士の板取引によって行われます。

この板取引の性質を利用して、仮想通貨の価格上昇や下落をコントロールする手法があります。

それは、価格の上限や下限としたい値段で、大量のコインを注文しておく方法です。

板取引の壁

例えば、ビットコインの価格が100万円のとき、101万円以上に上がって欲しくない場合、101万円に数百枚〜数千枚のビットコイン売り注文を入れておきます。

すると、ビットコインがどんどん買われて価格が上がって来ても、101万円の注文が全て約定するまで101万円を超えることができなくなります。

このような相場コントロールを「」と呼ぶことが多いようです。

壁を作るには当然、巨額の資金が必要となるため、必然的にクジラや893しかこの方法を実行できないわけです。

ステルスオーダー

先ほどの「壁」は、板取引の性質を生かした相場コントロールの方法ですが、この方法の欠点は、今どれくらいの価格帯を狙っているかがすぐわかってしまう点です。

クジラや893などのマーケットメーカーは、どれだけ市場から資金を吸い上げるかを考えて壁を作ったり、短期的な上昇・下落を演出しています。

そのため、最初から「ここで価格を止めておくぞ」という明確な意思表示をすると、それこそクジラや893などの大口投資家でない限り、取引に参加しようとしません。

そこで利用される方法が、ステルスオーダーとよばれる手法です。

具体的には、海外取引所などのプレミアム仕様で指値注文額を隠したり、10 BTCなど少なすぎず多すぎない程度の取引を何度も行うことで実現します。

これを行うことで、狙っている価格帯を隠し、相場コントロールされていないように見せることができます。

そのため、いつの間にかある価格帯に壁ができていたり、徐々に価格が上がっていることがあります。

ステルスオーダーを見破るのは難しいのですが、板情報と約定情報を見ることでわかる場合があります

例えば、多くの「買い」注文が次々と約定しているのに、なぜかある価格から上昇しない状態や、常に10 BTCや5 BTCなどの決まった枚数の注文が板に並んでくる場合です。

これらの情報は、海外取引所の方がわかりやすく、特にBitMEXBitfinexの板情報や約定情報から推測できることがよくあります。

当然、ステルスオーダーもクジラや893ほどの資金がないと実行できず、また対抗もできないため、「あれ?ステルスオーダーが入っているかな?」と感じたら素直に引くか、流れに沿ったトレードをするようにしましょう。

まとめ:彼らの動きが大きなファンダメンタルズとなる

今回は、仮想通貨界隈で耳にする「クジラ」や「893」について紹介しました。

大量の資金やコインを保有する彼らの動きによって、仮想通貨の相場は大きく動かされます。

そのため、彼らの動向自体が、その仮想通貨の価値を上下させるファンダメンタルズのような役割を果たすことがよくあります。

短期トレードをするにしても、長期的な視点で保有するにしても、彼ら(特に「クジラ」)の動向はよくチェックしておくことをオススメします。