仮想通貨の税金はいつから支払う必要があるの?

仮想通貨が大きな話題を集めており、最近始めた人、これから始めようと思っている人などますます多くの人が市場に参入してくることが予想されます。

仮想通貨取引に税金が絡んでくることはご存知かと思いますが、果たしていつから税金を支払う必要があるのか?と考えると、意外にも複雑で混乱しやすいものです。

今回は、仮想通貨の税金はいつから支払う必要があるのか?調べてみました。

仮想通貨に係る税金は雑所得

仮想通貨に係る税金は雑所得

仮想通貨取引で得た利益には所得税がかかりますが、この分類は雑所得です。

サラリーマンなどお給料をもらっている人は、給与支払いの度に源泉徴収と言って、支払先が所得税を支払額から天引きしています。

そのため、給料が手元に入るときにはすでに納税がすんでいます。預金の利息、株式の配当金がある人は、これらも支払いと同時に税金が源泉徴収されていることにお気づきではないかと思います。

ところが、雑所得に関しては、源泉徴収というものがありません。

そのため、雑所得に分類される所得に関しては、自分で確定申告により納税することになります。

確定申告とは、当年一年分の所得を翌年2月中旬から3月中旬の間に、税務署に届け出ることです。

雑所得だけでなく、不動産所得、一時所得、退職所得など一年間で得たすべての所得に関して申告します。

確定申告のためにお金の動きを把握しておこう

確定申告のためにお金の動きを把握しておこう

確定申告は、一年に一度行うものです。

当年1月1日から12月31日までの収入を、翌年2月から3月に申告します。つまり、1月1日から12月31日まで一年分の収入を把握する必要があります。

給与をもらっている人は、年末に給与の支払調書報告書という一年分の収入と税額を示す書類を会社側が作成してくれます。

しかし、仮想通貨取引は個人本人が行っているものですので、一年分の利益について自分で記録して保管しておく必要があります。

仮想通貨では、税金が発生するタイミングについて細かな決まりがあり、うっかりすると見落としやすいものもありますので、一年後の確定申告を常に意識して取引履歴を確保しておきましょう。

確定申告が必要な人とは?

確定申告が必要な人とは?

一般的には、サラリーマンで収入が一か所からの給与所得だけの人は、確定申告の必要がありませんが、給与所得があってさらにその他の収入ある、給与所得が2千万以上、2か所から給与をもらっている、など、一定の要件に当てはまる場合は確定申告が必要です。

そして、収入が仮想通貨の利益だけという人は、収入が雑所得のみとなりますので基本的には確定申告が必要です。

確定申告が必用になる一定の要件とは以下です。

①給与所得がある方

大部分の方は、年末調整により所得税等が精算されるため、申告は不要です。

次の計算において残額があり、さらに(1)から(6)のいずれかに該当する

(計算)

  1. 各種の所得の合計額(譲渡所得や山林所得を含む。)から、所得控除を差し引いて、課税される所得金額を求めます。
  2. 課税される所得金額に所得税の税率を乗じて、所得税額を求めます。
  3. 所得税額から、配当控除額と年末調整の際に控除を受けた(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額を差し引きます。
  • (1) 給与の収入金額が2,000万円を超える
  • (2) 給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える
  • (3) 給与を2か所以上から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)との合計額が20万円を超える
    ※給与所得の収入金額の合計額から、所得控除の合計額(雑損控除、医療費控除、寄附金控除及び基礎控除を除く。)を差し引いた残りの金額が150万円以下で、さらに各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円以下の方は、申告は不要です。
  • (4) 同族会社の役員やその親族などで、その同族会社からの給与のほかに、貸付金の利子、店舗・工場などの賃貸料、機械・器具の使用料などの支払を受けた
  • (5) 給与について、災害減免法により所得税等の源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた
  • (6) 在日の外国公館に勤務する方や家事使用人の方などで、給与の支払を受ける際に所得税等を源泉徴収されないこととなっている
②公的年金等に係る雑所得のみの方 公的年金等に係る雑所得の金額から所得控除を差し引くと、残額がある
※ 公的年金等の収入金額が400万円以下であり、かつ、その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる場合には、所得税等の確定申告は必要ありません。
③退職所得がある方 外国企業から受け取った退職金など、源泉徴収されないものがある
※ 退職金などの支払者に『退職所得の受給に関する申告書』を提出した場合、一般的に、退職所得に係る所得税等は源泉徴収により課税が済むことになりますので、退職所得の申告は不要になります。
なお、退職所得以外の所得がある方は①又は④を参照してください。
④①から③以外の方 次の計算において残額がある
(計算)

  1. 各種の所得の合計額(譲渡所得や山林所得を含む。)から、所得控除を差し引いて、課税される所得金額を求めます。
  2. 課税される所得金額に所得税の税率を乗じて、所得税額を求めます。
  3. 所得税額から、配当控除額を差し引きます。

※ 公的年金等の収入金額が400万円以下であり、かつ、その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる場合において、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下であるときには、所得税等の確定申告は必要ありません。
なお、住民税については「市区町村からのお知らせ」を参照してください。

※ 上場株式等に係る譲渡損失と配当所得等との損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けようとする方などは、①から④に当てはまらない方であっても確定申告が必要です。

給与所得がある人は20万円がカギ

給与所得がある人は20万円がカギ

上記の表①で、給与所得のある人について見ると、
「給与を1個所から受けていて、かつ、その全部の給与が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額の合計(給与所得、退職所得を除く)が20万円を超える場合」
と記されています。

サラリーマンが副業として仮想通貨取引を行っている場合は、まさにこのケースに当てはまります。

もし、仮想通貨取引による利益が20万円以下であるなら、確定申告の必要がない、つまりその利益に対しては税金を納める必要はないということになります。

仮想通貨利益が20万円を超えたときには、必ず確定申告をしましょう。

収入が雑所得のみの人は38万円がカギ

収入が雑所得のみの人は38万円がカギ

学生や主婦など、「働いておらず、仮想通貨利益だけが収入」という人もいるでしょう。

そのような人は②の「収入が雑所得のみ」という分類になります。

この場合には、
「公的年金等の雑所得の金額から所得控除を差し引くと、残高がある」
というときにのみ、確定申告の必要があります。

所得控除とは、医療費控除、社会保険控除、扶養控除等14種類を指しています。

それぞれ定められた要件を満たした時のみ適用となりますが、その中で、要件は一切なく全ての納税者が対象となるという「基礎控除」があります。

基礎控除は「一律38万円」です。

つまり、収入が仮想通貨の利益だけという人が、仮想通貨取引で38万円の利益を出したとすると、「雑所得が38万円、基礎控除38万円が適用」ということになります。

すると、
課税対象額=雑所得38万円-基礎控除38万円=ゼロ円⇒税金なし
となり、税金はかかりません。

38万円を超える利益があった時には、38万円を超えた分に対して税金がかりますので、確定申告が必要となります。

課税対象額=雑所得50万円-基礎控除38万円=12万円⇒課税される

利益が発生するタイミングはいつ?

利益が発生するタイミングはいつ?

仮想通貨に係わる税金はその利益に対して課税されますので、「いくら利益を得たか?」を把握しなければなりません。仮想通貨取引における利益は、「利益が確定した時」に発生します。

仮想通貨の利益確定のタイミングはいくつもあり、様々なパターンがあります。どの時点で利益が確定するのかをしっかり頭に入れて記録を残し、確定申告に備えましょう。

手持ちの仮想通貨を日本円に換金したとき

手持ちの仮想通貨を日本円に換金したとき、購入時よりも値が高ければその値上がり分が利益となります。

例えば、100万円で購入した仮想通貨の価格が150万円に上がった時、そのすべてを換金すると、利益は50万円です。利益が発生した時点、すなわち換金した時点で、税金が発生しています。

日本円に換金した金額が購入時よりも低い場合には損失となり、税金は発生しません。

手持ちの仮想通貨が値上がりしたところで、別の仮想通貨に交換したとき

手持ちの仮想通貨を別の仮想通貨に交換したときには、その手持ちの仮想通貨を売却したものとして考えます。

100万円で購入した仮想通貨が120万円に値上げしたときに、全てを別の仮想通貨に交換すると、その時点で20万円の利益が確定されます。

「日本円を使って仮想通貨を購入→別の仮想通貨に交換→日本円に換金」という取引を行うと日本円に換金したときだけに税金がかかると考えがちですが、実はこの取引では「別の仮想通貨に交換したとき」と「日本円に換金したとき」の2回利益が確定していますので勘違いをしないようにしましょう。

手持ちの仮想通貨を使って決済を行ったとき

仮想通貨を使って物品を購入するなど決済を行った時も、決済した時点で利益が確定します。

例えば、100万円で購入した仮想通貨で120万円の買い物をして決済をすると、差額分20万円の利益が発生したことになります。

直接的に日本円に換金はしていなくても、一旦日本円に換金してから購入をしたという考え方となります。

物品購入で仮想通貨を利用すれば税金がかからないという説もありますが、そのようなことはありません。

盲点となりやすいので注意が必要です。

ちなみに、国税庁が発表している商品購入の計算方法は以下です。

「商品価格-1コインあたりの取得価格×支払いコイン枚数=所得金額(利益)」

マイ二ングで仮想通貨を得たとき

マイニングで仮想通貨を取得した時には、取得した時点ですでに利益が発生しています。

取得した仮想通貨の時価から必要経費を指し引いた分が、利益額となります。

必要経費には、コンピューターを使うための電気代、セミナー参加費、参考書代などが認められます。

例えば、必要経費30万円を要し、マイニングで50万円の仮想通貨を得たとき、50万円-30万円で、20万円の利益です。

また、マイニングで得た仮想通貨を日本円に換金した時、その他の仮想通貨に交換した時には、上記と同じ考え方で、取得した時の時価との差額が利益となります。

例えば、マイニングで得た仮想通貨50万円を日本円80万円に換金したとき、80万円-取得価格50万円で、30万円の利益となります。

ハードフォーク(分裂・分岐)で仮想通貨を得たとき

ビットコインの分裂などにより自動的に付与される仮想通貨があります。

これらは、取得価格がゼロ円とみなされるため、取得時の利益は発生しません。

しかし、日本円に換金したり、別の仮想通貨に交換したときには、取得額がゼロ円ですので、全額が利益となります。

まとめ

まとめ

仮想通貨のの税金は当年一年分を翌年の確定申告により納税します。そのため、一年間の利益額を把握しておかなければなりません。

仮想通貨の税金支払いに関する大切なポイントは以下です。

  1. 納税は一年に一度確定申告で行う
  2. 全ての利益確定のタイミングを見逃さない
  3. 給与収入があり、かつ仮想通貨取引を行っている人は20万円が納税ライン
  4. 収入が仮想通貨の利益のみの人は38万円が納税ライン