仮想通貨の税金は住民税も取られるの?

仮想通貨取引による利益には所得税がかかり、確定申告を行うことはよく知られています。

しかし、給与明細などを見ると、所得税のほかにもう一つ引かれている税金があります。

それが、住民税です。

それでは、仮想通貨取引を行った時にも、住民税は関係してくるのでしょうか?

今回は、仮想通貨取引を行った時、住民税も取られるのか?その申告方法も含めて解説していきます。

住民税とは?

住民税とは?

住民税とは、住民票のある自治体の様々な行政サービスの運営費用などとするために支払う税金です。

具体的には、自治体の治安維持、公共事業、教育、福祉などに使われており、住民の能力(担税力)に応じてその負担を分担しようというものです。

所得税とは異なり、各自治体へ支払います。

個人が負担する個人住民税と、法人が負担する法人住民税がありますが、ここでは、個人住民税についてを取り上げていきます。

所得割と均等割

所得割と均等割

個人住民税は、「都道府県民税」と「市町村民税」から構成され、それぞれに「均等割」と「所得割」があり、その合計額が納税額です。

所得割とは?

所得割とは、住民税のうち個人の所得に比例して課税される部分で、前年の収入金額を基準に計算されます。

都道府県民税は4%、市町村民税は6%、合計10%です。これは標準税率というもので、全国一律となっています。所得割の計算方法は以下です。

前年の収入金額-必用経費=所得金額
      ⇓
所得金額-所得控除額=課税所得金額
      ⇓
課税所得金額×税率=納税額

均等割とは?

均等割とは住民税の基本部分で、個人の所得金額にかかわらず、一律の金額が課税されるものです。

都道府県民税1,500円、市町村民税3,500円、合計5,000円です。
(※自治体によっては、標準税率と多少異なる独自の税率を使用するケースもありますので、各自治体のホームページなどで確認しましょう)

課税対象となる月は?

課税対象となる月は?

所得税は、当年1月1日から12月31日までの所得に対する税金を、翌年2月から3月の確定申告により納税します。

これに対し、住民税は、当年1月1日時点で住民票がある自治体へ納税義務が発生します。

その税額は前年分の収入額から計算され、納税は当年の6月から始まります。

1月1日に住民票のある自治体に納税義務がありますので、もし1月2日に引っ越しをしたとしても、住民税の支払先は変わらず旧の自治体です。

もちろん、引っ越したからといってその自治体への納税義務がなくなるということはなく、その年度内に当年分の住民税の支払いを済ませなければなりません。

引っ越し先の自治体へは、翌年1月1日に在籍していれば翌年から納税義務が発生します。

納税義務者と非課税枠

納税義務者と非課税枠

上記でも触れたように、住民税は1月1日時点で住民票のある自治体に対して納税義務があります。

仮想通貨により利益を上げた人も、1月1日に住民税をおく自治体に対して住民税の支払義務が発生します。

ただし、住民税にも非課税枠があり、以下要件に当てはまる場合には納税義務はありません。

「所得割・均等割の両方が非課税となる要件」

①生活保護受給者

②寡婦・寡夫、障害者、未成年者のうち、前年度の合計所得金額が125万円以下(収入が給与所得のみの場合、給与収入が204万円以下)

③前年度の合計所得金額が

扶養親族がいない場合、35万円以下
扶養親族がいる場合、(控除対象配偶者の人数+扶養親族の人数+1)×35万円+21万円以下

「所得割のみが非課税となる要件」

①前年度の総所得金額が、控除対象配偶者・扶養親族がいない場合は35万円以下

②控除対象配偶者・扶養親族がいる場合は、(控除対象配偶者の人数+扶養親族の人数+1)×35万円+32万円以下

確定申告と住民税の関係

確定申告と住民税の関係

さて、仮想通貨による利益を得た人は、その利益額によって、翌年3月15日までに確定申告により所得税の納税をすることになっています。

しかし、この時自治体に対して住民税の申告をするのか?というと、その必要はありません。

確定申告をすることによって、税務署から個人の申告内容が各自治体へ自動的に通知されるためです。

3月15日までの確定申告の申告内容にそって、各自治体が住民税の計算を行い、4月に各自へ納税通知書を送付するという流れです。

また、サラリーマンのように所得税は給与から源泉徴収されており、年末調整が行われている場合も、税務署から自治体へその内容が送られますので、改めて住民税の申告をする必要はありません。

それでも住民税の申告が必用なケースとは?

それでも住民税の申告が必用なケースとは?

ここで、仮想通貨に係る所得税について思い出してみましょう。

仮想通貨に係る所得税は、雑所得で確定申告が必用です。

ただし、確定申告が必要ない場合もありました。

  • 給与所得のある人で、仮想通貨の利益が20万円以下のとき
  • 収入が仮想通貨の利益のみで、その利益額が38万円以下のとき

これらのケースでは、確定申告の必要がありません。

そうなると、税務署から自治体への所得に関する連絡はどうなるのでしょうか?

これについては、「確定申告がされなければ自治体への通知ない」ということになります。

したがって、住民税の申告を改めて行う必要があります。

申告期間は所得税の確定申告と同じく3月15日までです。詳細は各自治体によって異なりますので、まずは自治体へ問い合わせをしてみましょう。
 
サラリーマンで仮想通貨取引を行う人は多く、仮想通貨の利益が20万円云々という情報は比較的浸透しているのではないでしょうか。

一方、住民税については所得税ほど情報が拡散していないという印象があり、実際に申告が必要というケースも全体から見ると一部の人のみが該当することから、うっかりすると見逃しやすい部分です。

所得税に関しては、脱税になることを恐れるといった風潮が見られますが、住民税も同様に税金ですので、十分な注意が必要です。

自治体としては住民税の税収は大切な運営費用であり、実は自治体であるがゆえに動きも取りやすく未払いについては厳しく取立てを行います。

住民税の申告をしないとばれてしまうのか?

住民税の申告をしないとばれてしまうのか?

上記のように、仮想通貨取引の利益額によっては、確定申告の必要がない場合もあります。

しかし、住民税に関しては別途申告を行わなければならないのですが、もしこれを怠ってしまったら、自治体にばれてしまうのでしょうか?

仮想通貨の取引所は、法人として確定申告をしています。

そのための資料である法定調書の中には、この取引所を利用して利益を得た人、その利益額などが記されています。

必要であればこの調書の情報を、誰にいつ支払ったのかという証拠として利用することも可能でしょう。

未申告、未払いのまま放置すれば、ペナルティーをかけられる可能性は高く、特に自治体は税金の未払いに関し、裁判所を通さずに強制執行を行う権限も持っていますので、いざとなると行動は早いでしょう。 

まとめ

まとめ

仮想通貨取引で利益が出た時には、所得税がかかりますが、同時に住民税も課税されます。

住民税は、1月1日に住民票がある自治体に対して支払う税金で、収入額によってその税額が決定してくるので、仮想通貨で利益があれば、税額に影響が出てくるわけです。

仮想通貨の利益があり確定申告をしている場合には、自動的に自治体に申告内容が通知されますので本人が申告する必要はありません。

しかし、仮想通貨の利益がありながら確定申告をしていないケースは要注意です。

所得税の確定申告をしていないと税務署から自治体へ通知がいきません。

そのまま放置していると、住民税に関して未申告、未納ということになり、ペナルティーが科せられる可能性があります。

住民税に関しては意外に忘れがちですが、確定申告の必要がない人でも住民税は申告するということを忘れないようにしましょう。