55%も取られるの?仮想通貨の億り人が支払う税金は?

仮想通貨元年と呼ばれた2017年、ビットコインをはじめとする仮想通貨のすさまじい高騰により、億単位の利益を得たという億り人も誕生したといわれています。

さて、一億円の利益と言いますが、一億円が丸々儲けとして手元に残るわけではありません。

巨額な利益の裏には、多額の税金がついて回るからです。その税金は最高55%!税金の知識なくして、仮想通貨取引を完結することはできません。

1年で20倍の利益を得た投資家たち

1年で20倍の利益を得た投資家たち

仮想通貨元年と呼ばれる2017年、ビットコインをはじめとする仮想通貨が高騰しました。

高騰という一言では事足りないほど、常識はずれ、桁外れの暴騰ぶりは記憶に新しいものです。

ビットコインについていうと、2017年1月1日の1コイン終値11万円代であったものが、同年12月17日には1コイン221万円代まで膨れ上がったのです。

この驚きの高騰ぶりに世界中が湧きかえったことは言うまでもなく、日本でも億単位の利益を出した「億り人」と呼ばれる人々が誕生したと感がられています。

ビットコインやそのほかの仮想通貨の取引を行う人の中には、本格的投資家から学生、老若男女、利益は計算済みという人からなんとなく始めたという人まで様々。

そうは言ってもこれほどまで急激な高騰を予想した人は少なかったのではないでしょうか。

このような状況の中で、突然手にした多額の利益。仮想通貨を購入して保有していただけで、ラッキーにも20倍の資産となったわけですから、浮かれても仕方ありません。

例えば、2017年1月の時点で100万円分のビットコインをもっていた人は、12月には2000万円の資産家に成りあがったということになのです。

投資家など、もともと資金のある人は大きな金額を投機していたことが考えられますので、夢の億単位の利益が現実となったわけです。

仮想通貨の利益は雑所得に

仮想通貨の利益は雑所得に

さて、夢のような瞬間が過ぎ翌年2月から3月、仮想通貨に沸いた人たちの目の前に立ちはだかった現実、これが「確定申告」です。

これまで確定申告などしたことも考えたこともない、税金など自分で払ったことがない、いくら税金がかかるのか知らない、という多くの人たちが、目の前の悪夢に愕然としたことは言うまでもありません。

それは、「投資家泣かせの厳しい税法」があったからです。

2017年の大ブームに伴い、国税庁により「仮想通貨取引で得た利益は雑所得とする」という通告が出されました。仮想通貨の利益に対し所得税が発生し、その分類は雑所得というお達しです。

私たちが得る収入は、所得税法上、その内容によって給与所得、不動産所得、譲渡所得、退職所得など14種類に分類され、そのうちの一つが雑所得です。

雑所得は総合課税といって、給与所得などその他の所得とひとまとめにし、その合計額から税率を確定するものです。

例えば、サラリーマンで仮想通貨利益のある人は、給与所得額+雑所得額の合計所得金額に応じた税率が使われます。

この税率は、累進課税方式で、所得金額が多ければ多いほど税率が上がる仕組みになっています。

また、一定の収入額を超えると税率が上がるようになっていますので、その一定額を1円でも超えれば、税率がグッ上がってしまうということになります。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超え 45% 4,796,000円

所得税の最高税率は45%

所得税の最高税率は45%

上記の表を見てもわかる通り、所得金額が4000万円を超えると、税率は45%です。

また、このほかに自治体へ支払義務のある住民税も発生し、その税率は10%、合計で所得額の55%が税金となるのです。

所得税計算の例

ここで、所得税がいくらになるかシュミレーションをしてみましょう。

①収入が、サラリーマンとしての給与所得500万円だけの場合

⇒給与所得500万円×20%-控除額427500円=572,500円

②給与所得500万円のほか、仮想通貨利益500万円の利益を得た場合

⇒(給与所得500万円+雑所得500万円)×33%-控除額1,536,000円=1,764,000円

所得が500万円増えましたが、税金も120万円近く増加しています。これに、住民税約100万円が加算されます。

③給与所得500万円のほか、仮想通貨利益1億円の利益を得た時

 合計所得額=1億500万円
⇒(給与所得500万円+雑所得1億円)×税率45%-控除額4,796,000円=42,454,000円
1億500万円のうち、約4250万円が所得税、さらに住民税約1000万円が加算され、所得の半分以上が税金となります。

仮想通貨取引による利益とは?

仮想通貨取引による利益とは?

上記のように、所得税の最高税率は45%、そこに住民税10%が加わり、最高55%が税金として徴収されてしまうことがわかりました。

ところで、仮想通貨の利益とは、何をもって利益というのか?

これも大きなポイントです。

一般的に利益というと現物をイメージします。例えば、「100万円で株式を購入し、150万円で売却、その差額50万円が儲けとして手元にはいった」というケース。

しかし、仮想通貨の場合は少し異なります。

「日本円で仮想通貨を購入し、値上がりしたところで日本円に換金した」これは、上の例と同じパターンでわかりやすいです。

ところが、
「日本円で仮想通貨を購入⇒値上がりしたので別の仮想通貨に交換」これでも、値上がり分が利益とみなされます。

その他、
「日本円で仮想通貨を購入⇒値上げ⇒物品を購入」は、値上げ分が利益となり、「マイニングで仮想通貨を取得」は、取得額から必要経費を差し引いた額が利益とみなされます。

このように、うっかりすると目に見えないところで利益としてカウントされてしまうことが多いので、後々焦ることもありがちです。

2017年の高騰時には、12月末に値上がりしたビットコインを別の仮想通貨に交換し、翌年も保有しようという人もいたようです。しかし、その後待ち受けていたものが、2月の確定申告=納税です。

お分かりのように、年末に別の仮想通貨に交換したということは、利益の確定です。すなわち12月の時点で税金がすでに発生してしまっているのです。

別の仮想通貨に交換して利益は確定しているものの、日本円に換金したわけではないので「納税資金となる現金が手元にない」という困った状況に陥ってしまったというわけなのです。

もし、1億円の利益を出した人であれば、およそ5000万円が税金として請求されるわけですから、相当の投資家や資産家は別として、突然仮想通貨で億り人となった人にとっては、資金調達は厳しいのではないでしょうか。

そうすると、年末に交換して保有しておいた仮想通貨を現金化しようということになりますが、相場の変動の激しい仮想通貨、現金化する時点でのレートが低ければ、納税額に足りないという可能性も十分にあるのです。

現に、ビットコインについて言うと、2017年12月に221万円代でしたが、翌年2018年3月1日には、110万円まで暴落してしまいました。

221万円のときに別通貨に交換、その税金が約5000万円、3月、110万円のときに現金化したとすると、約半分の5000万円ですので、全てが税金で消えてなくなる!という悲しい結果となってしまうのです。

この例のように、たとえ手元に残るお金がすべて消えてなくなっても、税金を支払うことができればひとまずは安心です。

もしこの3月の現金化の時、さらにレートが大暴落していたとしたらどうでしょうか?現金化しても納税資金には全く足りないという状況に陥ってしまったら?

税金は、自己破産をしたところで支払いの免除とはなりません。支払わなければ延滞金もかさみ、最悪ケース財産の差押えなどの窮地に追い込まれることになります。

仮想通貨取引を行う投資家にとって、現在の税法は大変厳しいものです。

しかし、これが現実で避けて通るわけにはいきません。

仮想通貨で巨額の利益を得る知恵と同様、思いのほか厳しく負担が大きい税金についても、理解を深めることが大切なのです。

まとめ

まとめ

多額の富も夢ではない仮想通貨。2017年には億単位の利益を得た億り人もたくさん誕生したといわれています。

仮想通貨は儲かる、保有して価値が上がる時を待つだけというようなイメージを持ってしまいますが、その裏には予想もしなかった厳しい税金の負担が待ち受けているのです。

利益が大きければ大きいほど税金も高く、所得額4000万円超えで55%の税負担ですので、仮想通貨取引を行う人は、いかにして税金を支払うか?ということを常に意識して取引を行うべきではないでしょうか。