仮想通貨の税金対策で出来ることはなに?

仮想通貨投資が人気を博しており、その利益は億単位という通称「億り人」と呼ばれる人たちも誕生しました。

しかし、大きな利益を得れば得るほど大きく膨らむ悩みの種が「税金」です。

現在の税法は、仮想通貨取引に関してはお世辞にも有利とはいえず、高い税金から何とか逃れる手はないか?と考えをめぐらす人も多いのではないでしょうか。

そこで少しでも税金の負担を軽くするためにできる税金対策を考えてみました。

仮想通貨の税金はなぜ高いのか?

仮想通貨の税金はなぜ高いのか?

仮想通貨取引を行う人が頭を悩ませる税金。なぜそれほどまでに、「高い」と叫ばれているのでしょうか?

2017年の大ブレークに伴い、国税庁が発表した取り扱いによると、仮想通貨における利益は所得税の雑所得に当たるとされました。

所得税は、収入の内容によって給与所得、不動産所得など計14種類に分類されますが、雑所得はそのうちの一つです。

雑所得の特徴として、

①総合課税の対象(一部を除く)
②その他の所得と損益通算はできない
③損失を翌年以降に繰り越しできない

があります。

総合課税は、給与所得、不動産所得、配当所得、一時所得などのそのほかの所得の金額をひとまとめにして税金の金額を決めるものです。

この時使用される税率は累進課税方式がとられ、所得が多ければ多いほど税金の額が上がる仕組みとなっているのです。

仮想通貨取引では、大きな利益を出す人も多いようですが、この累進課税方式では合計所得が4000万円を超えると税率45%という高い税金の負担が待っています。

加えて10%の住民税もありますので、半分以上が税金として徴収されるため、「税金が高い!」という声が上がってくるわけです。

なんとかして税金を減らすために~節税対策~

なんとかして税金を減らすために~節税対策~

このようなことから、なんとかして税金を減らしたい、節税となる対策はあるのか?は、仮想通貨で儲けた人にとって大きな課題です。

まずはじめに大切なことですが、税金を減らしたいからと言って虚偽の申告をする、または申告をしないということは論外です。

過少申告や無申告に対しては、過少申告加算金、無申告加算税、延滞税など厳しいペナルティが用意されています。

国税庁は、取引所や銀行への情報開示請求が可能ですし、怪しいと思えば国の威信をかけて徹底的な調査をします。緻密な調査には数年かけることもザラですので、今年お咎めがなかったからといって将来も安全ということはありません。

数年後に突然多額の延滞金が請求されることもあります。

確定申告は誠実に行うことを前提に、節税対策を考えていきます。

利益を確定せず、保有し続ける

仮想通貨の税金は、その利益に対して課税されます。逆にいうと、利益が発生していなければ課税されません。それでは、「利益が発生する」とはどういった意味だったでしょうか。

仮想通貨取引では、
「利益が発生する」=「利益を確定する」
でした。

つまり自分で利益を確定しなければ、利益の発生とはならないわけです。

たとえ、保有している仮想通貨の価値が上がっていても、保有している状態では含み益であり、利益とはなりません。仮想通貨を購入し、その価値が上がろうが下がろうがとにかくキープしておけば、課税対象とはならないのです。

ちなみに、利益の確定は、「日本円など法定通貨に換金したとき」はもちろん、「別の通貨に交換したとき」「決済を行ったとき」なども対象です。

例えば、仮想通貨Aの利益が大きくこれ以上利益を出したくない時に、仮想通貨Bは利益を確定せず保有しておくことにすれば、当年の節税対策となります。

ただし、どのタイミングで利益の確定をするかは、当然のことながら利益の大小に影響します。

その価格が値上がりしているにもかかわらず、当年の節税のために利益確定せず保有したところ、翌年価格が暴落したというケースもあります。

また、今の段階では保有しておき無税であっても、将来利益の確定をしたときに税金は払わなければなりません。その時の税金がいくらになるのか、トータル的に節税になったのかどうかを見極める難しさはあります。

現在の厳しい税制が将来的に緩和されることを見越して、とりあえず保有しておくという考え方もあります。

例えばFXのように、元は仮想通貨と同じ雑所得でありながら、世論を受けて「申告分離課税」の対象とされたという前例があります。仮想通貨に対する税制のポジティブな改正まで保有すれば、節税できる可能性が高くなります。

マイナス決済をあえて行う

保有している仮想通貨がある場合、その価格の動きは気になるところです。

上記のように右上がりの状態で含み益が期待されることもありますが、逆に右下がりとなると、これからどこまで下がってしまうのか、いつ利益の確定をしようかとやきもきさせられます。

そのような時、一年間の節税対策を考慮し思い切ってマイナス決済するという方法があります。

仮想通貨の利益が分類される雑所得の特徴に、「他の所得と損益通算ができない」がありましたが、実は、雑所得内部であれば、利益と損失の相殺が可能です。

例えば一つの仮想通貨取引で利益が発生、しかしもう一つの仮想通貨取引で損失が出た場合、双方の利益額と損失額をプラスマイナスして申告することができます。

もし、すでに雑所得内で大きな利益が発生している、同時に含み損を抱えてる仮想通貨がある場合、あえてその含み損のある仮想通貨を売却し、マイナス利益として計上することで、雑所得の総額を圧縮することができるというわけです。

損失を確定するということには勇気がいりますし、この先、その価格が上がるのか、または今後も下がり続けるのか、投資家としての冷静な判断が必要になります。

毎年少しずつ利益確定する

仮想通貨の税金は確定申告により行い、収入のある人は基本的に誰でも申告しなければなりません。ただし、申告が免除されるケースもあります。

仮想通貨取引についていうと、
「給与所得があり、副業で仮想通貨取引を行う人は、仮想通貨の利益が20万円未満の場合」
「収入が仮想通貨だけの人は、仮想通貨の利益が38万円未満の場合」

です。

この条件を満たすのであれば、確定申告の必要がない、つまり税金がかからないということになります。

保有しているだけであればその含み益には課税されませんが、仮想通貨の値動きは激しい面もありますし、また長期保有ということになると将来的な価格変動が心配されます。

「一年間の利益が20万円未満であれば非課税」を利用し、毎年20万円または38万円に届かない金額を少しずつ利益確定していくことで、実質的な節税となります。ただし住民税は所得額にかかわらず申告の義務があります。

個人事業主として開業する

仮想通貨取引により安定した収入がある場合は、個人事業主として開業する方法があります。これにより、いくつかの特典が受けられます。

まず、個人事業とはなにか?ですが、これは、税法上、株式会社など法人を設立せずに個人で営む事業のことを指しています。

個人事業の開業は、税務署に開業届を提出するだけで可能です。これにより、確定申告の白色申告、青色申告が可能となります。

白色申告は開業後、特に申請の必要はなく、申告時に簡単な帳簿を提出します。しかし、青色申告で得られる特典はありません。

青色申告では、事前に税務署へ申請書を提出する必要があります。

また、複式簿記による正しい帳簿付けが義務となっています。これにより、以下の特典が受けられ、節税が可能となります。

①青色申告特別控除最高65万円
②赤字の繰り越し可能(3年間)
③家族への給与を経費として計上できる

この青色申告特別控除65万円の効力は大きく、多くの個人事業主が節税のために青色申告を選択しています。

「節税するほど収入が多くない」「複式簿記による帳簿付けはしたくない」「家族へ支払う給料もない」などという人は、白色申告が多いようです。

法人化する

仮想通貨取引を本業として行う場合は、法人化により節税が可能です。

法人化した場合の大きなメリットはその税率です。最高税率で比べてみると、個人の最高税率は45%、対して法人税の最高税率は35%ほどです。

その他、損失分を翌年に繰り越し損益通算可能、従業員を雇い給与を経費に計上できるなどの利点があります。

法人化は、サラリーマンが片手間でできるものではありませんが、仮想通貨の収入が安定しそれだけで生計を立てているような場合にはメリットがあります。

会社を設立する時に、時間や手間、そして費用がかかることは承知しておきましょう。

まとめ

まとめ

仮想通貨の税金は高く、利益が多い人ほど頭を悩ませるものです。

これなら絶対!という大きな節税となる方法はなかなかありませんので、小さな税金対策をコツコツと積み重ねて、少しでも節税できるようにしたいものです。

そのためにも知識を深め、意識して取引を行いましょう。