仮想通貨の利益20万以下は税金がないってホント?

仮想通貨で利益に税金がかかることはご存知かと思います。

仮想通貨取引を行う人の中には、高額投資家のように大きなお金を動かす人もいれば、おこずかいの範囲内で楽しむ人もいるでしょう。

仮想通貨に係る税金はとにかく高く、億り人となった人は利益の大きさもさることながら、その税金の高さに驚き、利益の半分が持っていかれたと嘆く人も多いとか。

そのような中、高い仮想通貨の税金でありながら「20万円以下の利益であれば税金がかからない」という話題が持ち上がっています。

今回は、仮想通貨の利益20万円以下の税金について、核心をついていきたいと思います。

仮想通貨に係る所得税は雑所得

仮想通貨に係る所得税は雑所得

仮想通貨で得た利益は所得税と住民税の対象となります。住民税は自治体へ支払う税金で、課税対象額に対し一律10%の税率で計算されます。

所得税は、利益の金額によって税額が変わる仕組みになっていますが、これに大きく関係していることが、税金の分類です。

所得税法上、全ての所得はその内容によって分類されています。会社からのお給料などの給与所得をはじめとし、不動産所得、譲渡所得、事業所得、山林所得、利子所得、配当所得、退職所得、一時所得、雑所得の10種類です。

上記のようにその内容によって分類された各種所得は、税額計算の際にひとまとめにして課税することが原則となっています。これを、総合課税といいます。

ただし、退職所得、山林所得、土地・建物などの譲渡所得、株式等の譲渡所得、銀行預金などの利子所得、一定の先物取引による雑所得については、それぞれ分離して課税する分離課税としています。

これらの所得は、その金額が大きくなることがみこまれ、総合課税とすると税率が一気に上がる恐れがあるため、考慮されています。

仮想通貨の利益は雑所得に分類されますので、原則通り総合課税です。つまり、仮想通貨の利益以外にも所得がある人は、それらの所得と仮想通貨の利益額を合算して税金計算がされます。

総合課税の税率とは

総合課税の税率とは

総合課税で税金計算をする時の税率は、累進課税方式です。これは、所得金額が多いほど税率が上がるもので、最高税率は45%です。

2017年の暴騰で、億単位の利益を上げた人などは、利益の半分近くを税金として取られてしまったということになります。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超え 45% 4,796,000円

 

仮想通貨の税金は確定申告で

仮想通貨の税金は確定申告で

さて、仮想通貨に係る税金は、確定申告での申告納税です。

自己申告となり、利益の計算から税金計算、確定申告書作成、納税まで自分で行います。しかし、利益額が大きい人は利益計算が大変複雑である可能性もあり、専門家に依頼するケースも多いようです。

億り人の話題も絶えることがありませんが、実際には仮想通貨取引を行う人の多くは、小さな取引をコツコツと行い、おこずかい稼ぎとしているレベルではないでしょうか。

まだ仮想通貨を始めたばかり、今年は思うような利益がでなかったなどという人の中には、これだけの利益で確定申告をするのは面倒だと感じる人もいるでしょう。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki2017/a/01/1_06.htm

上記は、国税庁が「確定申告が必要な人」についてまとめたものです。

これを見るとわかるように、確定申告が必要な人には、ある一定の要件が定められています。この要件に当てはまらない場合には、確定申告の必要がありません。「確定申告の必要がない=納税が免除される」ということです。

確定申告の必要がない人とは?

確定申告の必要がない人とは?

注目ポイント【表内①給与所得のある方】

「給与を一か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円を超える」
「給与を二か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整をされなかった給与の収入額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円を超える」

つまり言い換えると、

「一社から給与をもらっていて副業で仮想通貨取引を行う人は、仮想通貨の利益が20万円以下のときは、確定申告をしなくてよい」
「2社以上から給与をもらっていて副業で仮想通貨取引を行う人は、年末調整をされなかった給与の金額と仮想通貨利益の合計が20万円以下のときは、確定申告をしなくてよい」

ということになります。

通常給与を支払っている企業は、一年間の納税額の調整のために年末調整を行います。上記の要件は、この「年末調整」がされているということが前提です。これにより各人の納税額が管理され、正しい額で納税が行われます。

そのため、給与以外で得た20万円以下の利益については少額であることから、税務署の事務処理負荷の削減のため、敢えて確定申告をする必要はないということになっています。

これらはあくまでも、給与をもらっていて年末調整がされていることが原則です。

注目ポイント2【表内②公的年金等に係る雑所得のみの方】

「公的年金等に係る雑所得の金額から所等控除を差し引くと、残高がある」

これは、収入が雑所得のみの人、すなわち仮想通貨の利益だけが収入の人に当てはまります。働いていない主婦や学生の場合はこちらに当てはまるでしょう。

所得控除にはいろいろな種類がありますが、納税者全員が対象となる控除として、基礎控除38万円があります。つまり、最低でも38万円は誰でも控除を受けられるということです。

仮に仮想通貨の利益が50万円であった時、基礎控除38万円が適用され、残高12万円が課税対象となりますので、確定申告が必要になります。

仮想通貨の利益が38万円ちょうどであると、基礎控除38万円が適用され残高ゼロとなり、課税対象額なし、確定申告の必要も当然ありません。

仮想通貨利益(雑所得)50万円-基礎控除38万円=12万円⇒課税対象⇒確定申告をする
仮想通貨理系(雑所得)38万円-基礎控除38万円=ゼロ円⇒確定申告の必要なし

この場合、注意したいことが住民税です。住民税の基礎控除額は、所得税の基礎控除より少ない33万円です。

所得税のことだけを考えれば、利益が38万円を超えなければ税金はかかりませんが、住民税については、33万円を超えた時点で所得が発生しますので、住民税の未払い発生を防ぐために、利益が33万円をこえた時点で確定申告をしておいた方が賢明です。

まとめ

まとめ

仮想通貨に係る税金は、確定申告による申告納税です。確定申告が必要である人には一定の要件があり、その要件に当てはまらない場合には、確定申告の必要がありません。

源泉徴収されている給与所得があり、年末調整が行われている人に限っては、仮想通貨利益が20万円以下のときは確定申告の必要なし、すなわち税金の免除ということになります。

働いていない人で仮想通貨の利益がある場合には、所得税では38万円以下、住民税では33万円以下の場合には、課税対象とはなりません。

仮想通貨の税制はまだまだ改正の余地もあり、大変細かく複雑な面が多いです。間違いや勘違いのために後々トラブルとならないよう、税務署などに確認しながら進めていくことをおすすめします。