複数の仮想通貨を取引していると、面白いことに気づくことがあります。いくつかの仮想通貨のチャートを一度に並べてみた時、どのコインのチャートも似たような値動きをしていること。
どの仮想通貨も、ほとんど同じ値動きをするのか?またそれはどうしてなのか?気になりますね。実はこれには夢の通貨・ビットコインが大きく関係しているのです。
今回は、仮想通貨チャートの値動きがどのコインも同じ?という疑問について解説していきます。
目次
複数の仮想通貨の中のビットコイン

仮想通貨にはいろいろありますが、一番知名度の高い通貨がビットコインです。
世界中で取引されており、暗号通貨、デジタル通貨とも呼ばれています。
インターネットさえあれば、世界中どこでも幅広い用途に使うことができ、たとえ国交が断絶されている国でも、とても簡単に送金できるという夢の通貨です。
アルトコインとビットコインの違いとは?

仮想通貨の中には、ビットコインのほかに、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、モナコインなど、たくさんの通貨があります。
これら、「ビットコイン以外」の通貨を「アルトコイン」と呼んでいます。アルトコインとは、「altenative coin=その他の通貨」という意味で、イーサリアムもリップルも、アルトコインの内のひとつということです。
それではアルトコインはビットコインと何が違うのでしょうか?
面白いことにアルトコインは、「ビットコインと異なる特徴を持つ」という特徴を持っています。
もともとその開発の上で、「ビットコインの懸念を改善したコイン」というコンセプトの上で作られているのです。
ビットコインはその価値が暴騰し世界中で利用されてはいるものの、ブロックチェーン作成が10分に一回で即時決済に不便、マイニングに膨大な電力と計算力を要するなどというマイナス要因があります。
このような問題点を改善し、ビットコインにないものを持つ新しいコインがアルトコインと呼ばれるものです。
例えばイーサリアムでは、その特徴として、送金完了までの時間が約10~15秒と短い(ビットコインは10分)、通貨の発行上限がない(ビットコインは上限2100万枚)、スマートコントラクトの実装(ビットコインでは実装困難)などがあります。
アルトコインの価値はビットコインの価格に応じて変動

仮想通貨の数は今や膨大で、世界中にはあまり名の知られていないアルトコインも多く、その数は3000ほどにもなるといわれています。
このような仮想通貨のほとんどは、法定通貨を扱っていない海外取引所で取引されています。
法定通貨を扱っていない取引所での通貨を取引するとなると、どのように取引が行われるのか?と思いますが、この場合、その基軸にはビットコインが使われます。ビットコインを基軸通貨として、アルトコインの価格が決まっていきます。
アルトコインの価格決定は以下のように進んでいきます。
①新しいアルトコインが海外取引所に上場する
②海外取引所にてビットコイン建てで取引が開始される
③取引されるビットコインの量で、アルトコインの価格が決まる
仮想通貨取引はで、円建て、ドル建て、ビットコイン建てなどと言いますが、これは、ご存知の通り、「1コインを買うために必要な金額(コインの数)」です。
例えば円建ての場合、1ETH(イーサリアム)=38,426円であれば、1イーサリアムの購入に、38,426円必要ということです。
ビットコイン建てでは、1ETH(イーサリアム)=0.06950518BTC であれば、1イーサリアム購入に0.06950518BTC必用ということです。
国内の取引所では、上記の円建て換算で表示されるこが多いのですが、実は、イーサリアムも含め、アルトコインの場合、基本はビットコイン建てです。
上記で述べたように、アルトコインの価格はビットコイン建てで決まりますので、日本国内の取引所では、そのビットコイン建ての金額を、「日本円に換算して表示している」ことになります。
ビットコインと連動するアルトコイン

アルトコインの価格がビットコインを基軸にして決まるということはわかりました。
実はこれが「仮想通貨のチャートの値動きがどのコインもほとんど同じ」ということに大きなかかわりがあります。
ビットコイン建てで決まったアルトコインの価格は、ビットコインの価格が変動するとどうなるでしょうか?
以下のような例で考えてみます。
•BTC 476,463円
•ETH 32,867円
•BTC/ETHの割合 0.0690
ここで、ビットコインの価格が400,000円に下がったとします。
ビットコイン建てで行われるイーサリアムの取引では、「BTC/ETHの比率 0.0690」は変わりませんので、ビットコインが下がればイーサリアムも下がってしまいます。
•BTC 400,000円⇓
•ETH 27,600円⇓
•BTC/ETH 0.0690⇒
これは、イーサリアムだけでなくどのアルトコインにも当てはまります。
そのため、大元となるビットコインの動きに連動し、どの仮想通貨のチャートも似通った値動きを見せるという結果になるわけです。
もちろん、上げ幅下げ幅には差がありますし、動くタイミングにも違いがありますが、チャートを並べてみた時に「なんとなく同じ様な形」になるということです。
アルトコインの値動きはビットコイン建てで確認

日本国内の取引所では、基本的にアルトコインの価格を円建てで表示することが多いです。
これはこれで頭の中で理解しやすいのですが、あくまでも、「ビットコイン建ての価格を円建てに逆算している」ことを覚えておかなければなりません。
アルトコインの真の価格を把握するためには、ビットコイン建てで考えることが大切です。
それは、円建てに換算したときには、真のアルトコインに価格に加え、BTC/円の比率が影響してしまっているからです。
そのため、ビットコイン建ての値動きと比べると、全くちがったチャートになる可能性があります。
一般的に投資を行う時、どうしても手元に入る日本円を増やすという感覚があります。
しかし、仮想通貨、特にアルトコインを取引する時には、日本円でなく「ビットコインを増やす」という意識が、真の資産を増やすためには大切です。
そのためにも、常にビットコイン建ての価格を見ることが重要となるわけです。
そうすることで、ビットコインの価格の上下に左右されないその通貨そのものの価値を見極めることができます。円建てで見ていると、本当の価格を見失う可能性があります。
まとめ

複数の仮想通貨取引を行う人の中には、「どの仮想通貨のチャートも同じような値動きをしている」ということに気づくことがあるかと思います。
膨大な数の仮想通貨のほとんどはアルトコインと呼ばれるもので、ビットコインと区別されています。
これらは、ビットコインにない特徴を持たせた新しいコインで、イーサリアムのように世界中で数多く取引されている者から、全く名の知れていないコインまで様々です。しかし、どのアルトコインも上場すると、その価格決定はビットコインを基軸に行われます。
つまり、ビットコイン建ての価格が真の価格であり、ビットコインの価格が変動するとそれに応じてアルトコインの価格も動くという関連性があります。
国内取引所では、日本円換算し円建てで表示することが多いのですが、円建ての場合は、あくまでもビットコイン建てを新たに円建てに逆算しているため、真の価格とずれる場合があります。ビットコイン対円のレートに影響されてしまうからです。
<ポイント>
•どの仮想通貨のチャートもビットコインのチャートの影響を受ける
•アルトコインの真の価格はビットコイン建てでみる